トピックス
《スポーツ・コンディショニング》
コンディショニングとは,自身の状態(コンディション)を把握し,目的(試合)に向かって最高のパフォーマンスが発揮できるようにトレーニング・リカバリー・ピーキングなどの計画を立て実践することです。スポーツ・コンディショニング研究室では,運動生理学,環境生理学,トレーニング科学,スポーツ栄養学,スポーツ医学などの幅広い学問領域からスポーツ選手をサポートできる研究成果の発信を目指しています。
加えて,スポーツ現場と学術研究との融合にも重点を置いており,研究室メンバーが日常的にスポーツ活動に参画することを推奨しています。研究者自身が当事者意識を持ち,現場に根付いた,現場に活かせる研究を行うことで,スポーツの価値の向上に貢献していきます。
《研究プロジェクト》
ポストウォーミングアップ,リウォーミングアップ戦略
スポーツ選手は試合前にウォーミングアップを行いますが,ウォーミングアップ終了直後に試合が開始されるわけではありません。15分程度のわずかな間隔であってもウォーミングアップ効果は大きく低下することが知られています。また,サッカーのハーフタイムに代表されるように試合中に15分程度の休息を保った場合も,その後の運動パフォーマンスは一時的に低下し,スポーツ傷害リスクが高まります。これらの問題に対する解決策として,ウォーミングアップから試合開始までに行うべきこと(ポストウォーミングアップ戦略),ハーフタイムに行うウォーミングアップ(リウォーミングアップ戦略)の有効性を検証しています。
*Yanaoka et al., Fronters in Physiology.2021. など
暑さ対策
暑熱環境下で長時間の運動を行った場合,体温の過度な上昇とそれに起因する心循環系・主観的ストレスによって競技パフォーマンスが低下し,熱中症のリスクが増加します。本研究室では,身体冷却を主なトピックとして暑さ対策の効果検証を進めています。
*共同研究者:広島大学 長谷川博教授
*Yanaoka et al., Journal of Thermal Biology, 2022; Numata et al., Journal of Physiological Anthropology, 2023など
セルフ・マッサージ
運動後のリカバリーとして,セルフ・マッサージが広く用いられています。近年では,フォームローラーや間欠的空気圧迫法を用いたマッサージ器具など多くのデバイスが販売されています。どのような手法でマッサージを行うと,スポーツ傷害リスクやリスクファクターが改善するのか検証しています。
*共同研究:日東工器株式会社
*Yanaoka et al., Frontiers in Physiology, 2022. など
機能性食品・飲料
試合前にスポーツドリンクやゼリー飲料などを摂取することで競技パフォーマンスが向上することが知られています。その中でも競技パフォーマンスの維持・向上に貢献する成分を含む食品・飲料について効果検証を行っています。
*柳岡ら.日本スポーツ栄養研究誌, 2019.など